卑金属熱電対
K熱電対(アルメル-クロメル)
+線にクロム(Cr)を10%含むニッケル(Ni)合金線「クロメル」と-線にアルミニウム(Al)とマンガン(Mn)を含むニッケル(Ni)合金線「アルメル」を組合わせた熱電対です。
K熱電対は工業用に多用され信頼性の高いものです。使用限界温度も1200℃と高く、起電力特性が直線に近く、耐熱や耐食性があることが特徴になっています。
還元性(H2,CO)ガス中や酸素分圧の低い状況において、クロメル線(+ 線)の劣化「Green Rot」と呼ばれるクロメルの選択酸化現象が起こり(腐食部が緑色に変色したりします)、短時間に起電力値が大幅に低下し大きな誤差が発生することがあります。使用にあたっては特にご注意下さい。
E熱電対(クロメル-コンスタンタン)
+ 線にK 熱電対と同じクロメル(Cr)を10%含むニッケル(Ni)合金線「クロメル」と- 線に銅(Cu)とニッケル(Ni)合金線「コンスタンタン」を組合わせた熱電対です。
E熱電対は起電力特性最も高いことが特徴で、1974年からJISに加えられました。電気抵抗も最も高いため機器の選択には十分にご注意下さい。また、K熱電対同様のクロメル線(+線)の劣化が起こることがあります。
J熱電対(鉄-コンスタンタン)
+線に鉄(Fe)の純線と- 線に銅(Cu)とニッケル(Ni)合金線「コンスタンタン」を組合わせた熱電対です。
還元性の雰囲気中での使用に適しており、起電力特性がE 熱電対と同じく高いことが特徴です。工業用としてK熱電対同様多く使用されております。水分を含んだ酸化雰囲気中では鉄(+線)の酸化が著しく注意が必要です。
T熱電対(銅-コンスタンタン)
+線に銅(Cu)の純線と-線に銅(Cu)とニッケル(Ni)合金線「コンスタンタン」を組合わせた熱電対です。
精度が高く電気抵抗が低いので低温域(-200℃~350℃)で用いられ、起電力も安定しており取り扱いも簡単です。低酸化,還元性雰囲気での使用に適しています。
特殊な熱電対
超高温用にてタングステン-タングステン・レニウム26%(W/Re26)、タングステン・レニウム5%- タングステン・レニウム26%(W/Re5:26)、タングステン・レニウム3%-タングステン・レニウム25%(W/Re3:25)、還元雰囲気用としてプラチネル、低温用としてクロメル-金・鉄等も取扱いしております。他N熱電対の取扱いもあります。
- 販売体制
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弊社の貴金属熱電対は、メーカーにて品質管理された、最もグレードの高いR熱電対ClassⅠ(ジョンソン・マッセイ社製:イギリス)をメインに、ユミコア製:ドイツ,田中貴金属製:国内のR・B・40:20PR・S熱電対の取扱を行っております。また、線形φ0.5,φ 0.3等ご要望の多い素線は常時在庫し即納体制を整えております。素線(リール巻)から、セラミック碍子付、先端溶接付、等のお客様のニーズに合わせて販売が可能です。